<DATA> 開店: 16:00 閉店: 20:00 定休日: 金 住所: 名古屋市緑区有松町大字有松往還南189-3 電話: 052-621-1414 |
調査日:2003/09/21(日)
江戸時代の宿場町をしのばせる有松街道を歩いていると奥まったところにこんな銭湯を見つけることができる。
一瞬近代的な銭湯のように見えるが、ここは歴史のある街。 近づくとそれが街の雰囲気に似合う伝統的な
銭湯であることが分かる。
こんな看板が道に出ているので目印に。
写真のように、近寄ってみると、これはまた極めてレトロでシブい銭湯であることがわかる。
駐車場のほうへ正面がむいておらず、通路へ入り右90度に向いた方向に入り口がある。
土間はゲタバコが女側、男側それぞれにあり、金属に穴が空いた名古屋定番のレトロタイプ。
一段あがって左が女湯、右が男湯。 この感じはちょっと笠寺温泉に似ている。
入り口土間中央には、張り紙に隠れてみにくいが、モザイクタイル絵がある。
こんな塩梅の入り口をくぐり脱衣場へ。、、これはキている。
なんとも形容しがたい独特の味をかもしだしている。 いままで行ったどの銭湯とも似ていない。
例えるならば、各種の修飾物が「純喫茶」的とでもしようか。
天井や柱などは木で、淡いパステルグリーンに塗られているのもレトロだし、天井扇も大きい3枚羽のものでこれまたレトロ。
ロッカーは木製で真ん中にガラス窓などはないが年季の入ったものだ。 TVは通常男女仕切り上部などにあったりするが、
ここはロッカーの上におかれていた。日曜だったのでお客のおやじさんらは笑点をみて笑っていた。
脱衣場と浴室の間に庭のある銭湯があるが、ここは池になっており、大きな岩のまわりに水がはってあり、
かなり大きくりっぱな鯉が泳いでいた。 そして岩の上には鶴の置物が。
この池は本当は上が空だったであろうスペースなので引き戸があるが、上に天井が設けてあるので、引き戸はあけっぱなしだ。
そして庭の右側が流しのある緩衝地帯。脱衣場からここへ入るすりガラスの引き戸には
「シメテクダサイ」とビニールテープでカタカナで注意書きが。 こういう細部がアットホームで良い。
冷房中だからとかいてあるが、ここの脱衣場はしっかりきっちり冷房が効いており実に気持ちが良い(夏季)。
番台と入り口の反対側に外に突き出すように休憩所がある。マッサージ椅子が2機に頭にかぶせる形のドライヤーなどが
配置された休憩場所があるのだがこちらの窓は全開である。だが涼しい。
浴室。 結構広い。 入ってすぐ左手に珍しい丸い浴槽。 細かいタイルで貼られていたから古いものだろう。
そしてセンター浴槽は3連。手前から浅めの発泡、白湯、電気と並ぶ。
白湯は左右に段が付けられており、向かい合うようなかたちで椅子になっている。 電気はやや弱めだが心地よい程度。
そして通路を挟んで、極めて浅い浴槽。 足を投げ出しても腰ほどしかない。
上に湯口があったからここはおそらく本来打たせ湯だったのだろう。
洗い場は左右にならんでいる。外壁側の洗い場前には柱が並ぶ。 ゆるやかなアーチを描く造形が古めかしい。
天井はドーム型で中央に蒸気抜きがある。 男女仕切りの上には丸いステンドグラスが2つほど。
そういえば脱衣場にもあちこちにステンドグラス調の装飾があったり、喫茶店風の釣り照明がさがっていたりと不思議な感触だった。
入り口付近の丸浴槽反対側はサウナ。サウナの前には水風呂がある。サウナは現在無料。
脱衣場に居るとき停電した。サウナの照明部分に水をかけてしまう癖のあるおじぃちゃんがいて、良くショートするのだそうだ。
ちょっと微笑ましかった。 お客はかなり次々ときてにぎやかで良かったと思う。
ズバリ、アットホーム系銭湯だろう。