笠寺温泉


【廃業】
2003年末をもって営業を終了されました。
長い間ありがとうございました。

<DATA>営業当時

開店:  16:00
閉店:  23:00
定休日: 水
住所: 名古屋市南区笠寺上新80
電話:  052-821-1477

調査日:2003/05/17(土)

笠寺神社から、環状線に抜ける一方通行の道ぞいにある。 
この界隈は古い町並みが残されており、その中に溶け込む感じの伝統的な銭湯だ。 

 破風まではいかないが、、この味わい深い看板と鬼瓦を見よ! しかしこの裏にある
ゲタバコ周囲の味わいはこんなものの比ではない。

 番台のおばさんの話によると、この銭湯は昭和27年からやっているとのことなので、
半世紀以上やっていることになる。確かにそれを納得させるだけのレトロ感が満載である。 

外観は木造かわら屋根。玄関は左右からはいり土間になっているもの。木造校舎の学校の土間のようだ。 
道沿い側の壁に、木で丸い穴のあいたたいへん古いゲタバコがある。 
土間はひろく、番台の後部は1段あがっていて緑のシートががはってあった。
番台背後の窓から土間を見ることができる。 

この雰囲気は、調査当時廃業してしまっていた、守山区の瓢箪山温泉にも通じるものだ。 
さて、脱衣場。古さがとてもよくわかる。格天井。 中央がガラスになった木のロッカー、
番台まわりにはいろいろなアイテムが吊り下げられたりしていてこの雰囲気もレトロだ。 

 ドリンク冷蔵庫は番台の目の前にある。 脱衣場だけでも味わいがある。 
さて注目すべきは脱衣場と浴室との間にある通常中庭になっている部分。
ガラス張りになっていて、中は白い砂がしかれ、男女仕切りは障子のような壁、
上からは和風とも洋風ともつかない照明が2つ下がる。そして、、、その白い砂の上にはワニの剥製が。 
とても不思議な雰囲気をかもし出している。 

 さて浴室。さすがに一度や二度改装されたようで、壁画などはなかった。白い感じのタイル。 
レイアウトははいってすぐに丸みをびた長方形で真ん中でしきられた白湯。
真ん中には植木鉢のような湯口で双方にせりだしている。手前が子供用の浅いほう、置くが深い。 
そして突き当たりは窓になっているのだが、この前に3浴槽並ぶ。 左が薬湯、白い湯であった。
次がジェット、そのとなりが白湯、、電気か!? 
そしてつきあたり右には外に出るドアがあり、外には桶の巨大化したような浴槽!?があり、
その奥にはちいさめの浴槽とうたせ湯とおもわれるノズルがうえから2つさがっていた。 
が、閉店間際だったからだろうか、両方とも稼動していなかったようだ。 再調査したい。

 このドアの手前右手には、蒸気浴(サウナともちょっとちがう)がある。 ちょうどよくあるラドンミスト浴のような
感じ。 ここがまたシブい。中にはタイルでつくりつけの椅子が外壁ぞいにならび、熱い蒸気がたちこめている。
結構熱い。息苦しさを感じるものである。 が、こういうものだ。 

 洗い場は男女仕切りと、外壁ぞいに2列。可も不可もない。 
こうした銭湯の価値は、現代風の豪華な浴室設備云々よりも、この建物や、
ここまで続けているところにポイントがある。 

 店主もわりとマメに浴室のゴミをひろったりしていて心遣いは感動すら覚える。 
マニアならば一度は行っておきたい銭湯だ。 いや、言っていなければ名古屋銭湯ファンを語ることはできない
 と、いってしまいたいほどなのである。 

 関係ないが「愛知県漂流」の酒井さんはこちらの銭湯が大好きなのだそうだ。

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