喜楽湯

<喜楽湯さん、2004年1月31(土)をもって営業を終了されました。
 長い間ありがとうございました。>

<DATA :営業当時>
開店:  16:00
閉店:  23:00
定休日: 火
住所: 名古屋市中川区八幡本通2丁目1
電話:  052-361-5818

調査日:2003/10/12(日)

 外観から、そうめちゃくちゃレトロでもないだろうと、際立った特色は期待せず入ったのだが、
暖簾を潜って考えを改めた。 入り口は引き戸で土間で左が男、右が女湯に分かれ、
引き戸を開けると番台。引き戸の前にそれぞれ暖簾がある。 

 ううむ。ここはしっかりレトロである。入ってマズ目にはいるのは脱衣場上部のモザイクタイル絵。
 そしてその前にある波ガラス板。 流しのある位置は脱衣場側にあり、
ガラスブロックで衝立の目隠しがある。この衝立の前には池があり、金魚も飼われている。 

 ロッカーは白い化粧板の貼られたもので結構新しい。 全体的に古くても使用頻度の高いところは
手を入れてあるし、古いのに清潔に保たれている。 脱衣場と浴室の間のガラス面積も広めで見渡しがいい。 

 脱衣場からもアレが確認できる。 アレとは浴室の壁画だが、南区の大江温泉と浴似た形状の
ドーム上に奥まった部分に山渓画がタイルで描かれている。 
奥まっている側面もしっかり描画されており、なにしろここは状態がいい。 

 浴槽のレイアウトは、センター浴槽が手前がやや浅め、奥が深い白湯、金属のバーで
エリアが区分され、奥が電気。電気のパワーは心地よいレベルの強いほうかな。 
通路をはさんで凹みになっている左側が外壁側から噴出す2連のジェット、中央よりが気泡。
左側の3つめの浴槽。手前が高温湯、かなり熱い。東京での熱い浴槽並。 
その奥が薬湯。こちらはややぬるめ。 ウイキョウとか入ってるやつだった。 

 浴室は全体的に清潔だ。 四角錘型の天井で中央に蒸気抜きを持つ。 
上部は白く細かいタイルではられているが目地も真っ白だし、天井も真っ白。 
床など低い部分のタイルは張り替えられており、いじり方がうまいと思った。
(味のある部分はヘタにいじらずに残してある) 

 お湯の透明度も高く、カランやシャワーの湯温、量もバッチリ。 カランはお湯のみ。 
お湯の温度は全体的にやや高め。東京的かも。 

 しっかり疲れを落として脱衣場でドリンクを。 
冷蔵庫は名糖牛乳だが時間が閉店にちかかったのか売り切れていたようだ。
瓶のファンタなど久しぶりに飲んでみる。 をを、瓶のファンタってなんか旨いね。こちら70円。
王冠抜いたの久しぶりだ。 

 おばさんも、ほんとうに「おばちゃん」って感じで温かみのある方だ。 
レトロ系ではかなり万点に近いいい仕事をしている銭湯だ。





【営業最終日のレポート】

 モタモタしていたので閉店30分前になってしまった。
 丁度おばあさんが暖簾をおろそうとして出てきたところで「よろしいですか?」とたずねると
 にっこりと「どうぞいいですよ」と気持ちよく応じてくれた。

  中ではいつものおじさんたちが雑談に興じていました。 最終日もいつもと変わりない様子。
入るとき番台で、今日のサービスですって缶ジュースをくれました。 

 実は前日も仕事帰りに入ったのだけど、やっぱり何度入ってもいい湯でした。 
自分より後におじいさんが急いで入ってこられたけど、すばやく洗って私より先に出て行ってしまいました。 
湯船で「明日からどちらへいかれるんですか?」と尋ねたところ、
「八幡かな、、ちょっと遠くなるね 西のほうの八幡もいいね」と言っておられた。
風呂上りのドリンクは名糖コーヒーがあったのでそれをチョイス。 
やっぱりコーヒー牛乳は名糖がまろやかで好きかな。

 出たころにはいつものおじさんたちも解散して、最後はおばあさんが出てきて送り出してくれました。 
「長い間ありがとうございました」 と。 

 本当にひっそりと終わりを迎えてしまったんですが、後味も良く記憶に残る銭湯の一つになったと思います。 
結局最後のお客になっちゃいました。 私もお礼の言葉を述べその場を去りました。

 閉店直前に掲示板で教えてくれた いなにわ さんに本当に感謝です。

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