新元湯

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開店:  16:30
閉店:  22:00
定休日: 5,10の日
住所: 名古屋市中川区下之一色町字操出?(栄湯から煙突見えます)
電話:  電話帳無記載

調査日:2003/03/22(土)


エビス湯を調査時に偶然発見した銭湯。
目の前が川で、川沿いには漁協の魚市場などが並び漁業の町という感じの中にある。
建物も大正ロマンを感じさせるレトロなもので、町並み全体も昭和初期のそのままが保存されたような感じでとても心落ち着く。 

木造でコンクリート外壁だが、その建物の造形が良い。 入り口は台形状になって左右に分かれるタイプ。 
脱衣場のタイルワークも、センスがよくまたここも大正風。 

 ロッカーは木で窓はない。下駄箱は鍵などなく小学校のゲタバコのようでこれも懐かしい。 
番台にはおばあちゃんかおばさんが座っているかと思いきや、女湯側におばあちゃんが居ることが多いので一声かけて呼び出そう。 
町の老人たちがおとずれなんとも全体に和みの雰囲気。

 脱衣場で、籐の脱衣籠が正常に機能している数すくない銭湯かもしれない。
老人たちはロッカーよりもこちらを利用する方が多かった。 洗い場は右手にこじんまりとしたものがある。
脱衣場から直接浴室に入るような印象だ。 

 さて浴室だが、ここの最大の特徴は、円形の主浴槽。これはおそらくエビス湯とここの2件しかないのではないだろうか。 
ふるめかしいタイルでたまらない。 奥はなだらかな曲線の衝立にかこまれた浅い浴槽が左、と、大きめの浴槽が右。

 つきあたり壁面にならぶ。この双方は薬湯で、プレートが左側から感じで「薬将中」とかかれており、ここも時代を感じる表記だ。 
洗い場は男女仕切り側に4箇所あり、少なめだがこれはこれで良いと思う。

  ガヤガヤと人が洗うというよりも、おだやかな時間が過ぎるそんな銭湯だ。 
天井は手前から奥へゆるやかなアーチを描くドーム型。やわらかい水色にペイントされていて、おだやかな印象。 

ひょっとしたらここは昔ペンキで壁画などが描かれていたのかもしれない、と思えたのだが。 ドリンク類は名古屋牛乳。
いろんな銭湯を回っているマニアの方には是非とも一度訪れてほしい。何もなく、本当にナニもないのだが、それだけでいいんだと
ふと思ったりもする不思議な魅力のある銭湯だ。 

 できるだけ早く訪れて欲しいと思う。 この界隈の開発はこのところピッチが早いのだ。
なおこちらの建物は大正13( 1924)年に建てられたもの。 なんとエビス湯より古い!
ということはおそるべき保存状態の良さといえる。 古い建築物としても価値がありそうだ。

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