稲荷湯

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開店:  15:00
閉店:  21:00
定休日: 日
住所: 名古屋市西区栄生2丁目16-5
電話:  052-551-2671

調査日:2004/01/10(土)

 栄生駅近くにある。 昭和2年より営業の趣満点のレトロ銭湯。
ここは私のレトロ銭湯ランキングを塗り替えてしまった。 側面から見ると結構建物は大きいように見える。

建物を側面から。 トタン貼りってなんだか懐かしい。 全体としてもいい味を出している。
中にはいっると、、建物外観も味ながら、中にはいってキタ!と嬉しくなる。 予想を裏切らない。

左が女湯、右が男湯の引き戸を開けて入るとすぐに番台。 外壁側に下足箱が。これがまたタマラナイ。 
木製で中央に透かし彫りというか穴が、、

さらに!ノックアウトされたのはフル木製のロッカー。 渋い、とても渋い木の味わい!
そして中央がガラスのタイプが多い中、ここはむさらに歴史を刻んだもの。

蓋中央の番号文字が古い漢数字。 いいなぁ、、これ。 

ロッカー上部には料金等の案内があるがこのデコレーションがシビレル。この部分の造りは、
中村区の地蔵湯の男女仕切りにあったものと似ている。 

このロッカーの上には二階の居住部分へあがる階段がある。階段の手すりがまた木製でいい。 

緩衝地帯上部にはとても立派なモザイクタイル絵。男側は連峰、そして、、、、

女湯側にはなんと富士山に天女! 
番台のおばあちゃんがこっちをご覧と、お客の切れ間を見て女湯側も見せてくれた。 芸術的にも各所に見所がある。

 そして男女仕切り上部の柱時計がまたこれがすごい。 
現在殆ど止まっているが、回せば現役で動くけど上がって巻くのがおばあちゃんには大変なのだそうだ。 

天井は白くぬられているが木で横に走っている。 番台脇には大きく古い扇風機も。 

脱衣場で随分ワクワクしてしまった。 浴室へ。 うわ! ここもか!! これもまた期待を裏切らない。 
名古屋ではとても珍しいタイル絵が。 壁画自体がもうあまり残っていないのだが、
残っているところの大半はモザイクタイル絵。だがここはタイルに絵が描かれているもの。 
男女仕切り〜つきあたり壁面と、ぐるりと絵が繋がる。 湖にオシドリ、花がカラフルに描かれている。 
写真をとりたかったが湯気が多くて断念した。 個人的に美術に興味があるのだが、ここはいろいろ勉強になった。 

浴槽レイアウトは小判型のセンター浴槽。手前が浅く、奥が深い。いい湯加減。 
細かいタイルで張られ、下手に治されていないのがまたいい。 
そして突き当りには左がジェット、右がデンキの2浴槽が並ぶ。 ジェットはデンキ側からふきだしこちらのほうが広い。 
デンキのパワーは適度でいい。 どちらの湯加減も名古屋的に快適だ。 洗い場は男女仕切りと外壁側の2列。
外壁側は外に張り出し、上部は半透明のプラトタンで採光される。 

 湯気抜きを確認できなかったが、湯気がいっぱいで浴室全体が暖かな気がした。 
カランやシャワーの出はこのクラスのレトロ銭湯に珍しく湯量、温度とも適度なもので使いやすかった。 
それにしても番台のおばあちゃんの感じが良く、いろいろ話ができたし勉強にもなった。
昔NHKの取材もあったそうだ。 後継者不足の為、私でおしまいだねと語っておられた。

 ここはレトロ銭湯ファンなら愛さずにはいられない銭湯だろう。 もっと何度も行きたい銭湯になった。
古き良き時代の銭湯を知りたければココへ行くといい。

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