戦前から営業、焼け落ちても復活し今も現役。気さくなご主人がうれしい
<DATA> 開店: 16:00 閉店: 22:00 定休日:9のつく日 住所: 愛知県一宮市栄4-10-10 電話:0586-72-5956 |
調査日:2004/3/6(土)
ここはしばらく前から目をつけていた銭湯なのだ。 なにせ外観がやたらシブくていい味を出しているのだ。
ようやく入ることができた。 入り口は正面に2箇所。 左が男湯、右が女湯。
入り口は東側を向いているから、夕方だと日が差し込まないか、、と思っていたが、
引き戸を開けて予想外にも明るかった。
正面に建てられたビルの外壁に夕日が反射して斜めにやわらかい光が差し込む脱衣場がいい雰囲気なのだ。
引き戸をあけるとすぐに番台で脱衣場。 外観からの予想を裏切らない。 これは渋い。
天井など随所が刈谷浴場を思い出させるパステルグリーンで塗装され、明らかに時代を刻んだ木造。
格天井だ。
床も木で中部地区で定番のゴザマットがひかれている。 ロッカーも木製。
天井に採光窓があり、緩衝地帯上部に採光窓がある。 年季が入っている割には建物のしっかり感がある。
トイレは外壁側ロッカーの手前の引き戸をあけるとある。 脱衣場縦横やや番台寄りに机と椅子がおかれており、
お客のおじさんと番台のご主人が雑談に興じていた。私もまじって交通マナーなんかについて話していた。
そう、一宮も名古屋に負けじと劣らず危険な運転のドライバーが多いのだとかなんとか。
番台のオヤジさんもフレンドリーだったが、お客さんもフレンドリーだ。やはり番台とお客は似た傾向になるようである。
まじまじと脱衣場を観察してしまった。 結構レトロファン好みの脱衣場だ。
緩衝地帯は男女仕切り側に流し。丸い豆タイルが張られている。
ここも古い部分だろうが手入れがしっかりなされている。
引き戸を開けて浴室へ。 やや広めの浴室。脱衣場から予想していたのと違い、こちらは新し目で白っぽい。
浴槽レイアウトはセンターに1列奥までで、突き当りで男女仕切り側にL字に折れ曲がる。
手前から白湯でこれが一番広い。 次にちいさめの電気風呂をはさみ、一番奥は男女仕切り側から噴出す2人分のジェット。
いや、ジェットのほうが広いかな。 シンプルな3浴槽だが湯の温度も高すぎず、低すぎず。
洗い場は男女仕切り側と、外壁側、そしてジェットの横突き当り壁面の3箇所。
カランもシャワーも申し分のない湯温と湯量で、外観から予想していたものとは違いいい意味で裏切られた。
これならしっかり洗える。
天井は山形で、中央に湯気抜きなどはなく、突き当り壁面上部にちいさな穴が2つ。
換気扇でも奥についているのかもしれない。 けっこう明るい浴室だ。
あとから伺ったのだが、やはり浴室のほうは鉄筋で新しいとのこと。
いつからやっているのかと訪ねたら、昭和2年、、つまり戦前からだそうだ。 戦争で焼けてしまい、
戦後すぐに立て直したのだそうだ。脱衣場側はそのときからの建物だから戦後すぐということになる。かなり時代を刻んでいる。
ご主人は実に気さくな方でいろいろ話ができて楽しかった。
一宮の駅から歩いて楽にいける距離なので、一宮で下車したら是非立ち寄ってもらいたい。 レトロファンにおすすめ。