おそらくあなたが「銭湯」と聞いてイメージするものがここにはあります。

明神湯

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開店: 16:00
閉店: 23:30
定休日:5,15,25日、祝日の翌日
住所: 東京都大田区南雪谷5-14-7
電話:


調査日:2003/05/03(土)

 東急池上線を「御岳山」駅で下車。 神社と逆側のホームへ降りる。(マクドナルドがある方) 
線路沿いに西に歩くと角に1Fが花屋の建物がある。ここを入り、ずっとまっすぐ緩やかな坂を下る。 
すると南調布公園という交通公園と野球場がドッキングしたかなり大規模な公園にぶつかる。 
この公園を突っ切って右手のブロックに煙突が見える。 

 道の裏側にまわるとこれは! というほど威風堂々とした構えの唐破風作りの銭湯が。 実に巨大だ。 

散々ツブれたりした銭湯ばかりで残念だったところに希望の光。 ここは生きている。 
暖簾をくぐると左右にゲタバコ すると中央の窓から女将が顔をだし、明るい表情でいらっしゃい!と挨拶をしてくれた。 
なるほど、、番台の後ろにある窓はこういう使い方もできるのか、とこの時初めて知った。
ちょっと高めの番台だから可能なのだろう。 名古屋から来たと話すと非情にうれしそうに迎えてくれた。 

 近所のお客とも明るく会話を交わす、子供も親も来ている、、これだ!!! 
自分の中にずっとイメージされていた銭湯の営みはこういうものだった。 
東京というとなにか殺伐とした印象を覚えてしまうのだが、人情というものがここにはある。 

 さて、脱衣場だが、おどろいた。この高天井は、ただの格天井ではない。 淵がゆるやかなアールを描き、非情に丁寧な造形、
そして木の光沢をはなっている。大黒柱もぴかぴか。 

 縁側は側面にあり、庭がオープン状態で椅子がおかれている。 ここもこれだ!というモデルケース。 
ロッカーは入り口向きの壁面に一面、それに平行に両面1列。 浴室との仕切りはガラス面がとても広く、
ちょうどガラスの向こうに富士山や海があるのではないかと思えてしまうような演出になっている。 
 ガラスの磨き方もハンパではない。 

 さて中にはいる。 またもやすばらしいの一言につきる。 高天井は白いペンキでぬられているが水色の縁取りのある2段天井。 
ほころびの気配すらない。 男女仕切りにはモザイクタイルで京の河原を描いたものが。 仕切り上部から蛍光灯がはえているのだが、
このステーも水色にぬられている。 

 壁画もキレイだ。 典型的な富士山のものだが、側面の壁にまで回りこむようにえがかれているのはめずらしいのではないだろうか。 
これが見たかったのだ、、。 

 洗い場は中央に対面1列左右に2列。 浴槽は左が薬湯で青りんごだった。中央は少なめの気泡風呂。やや温度高目。 
右側はジェットに超音波気泡風呂。 温度も東京的。一発で疲れが消し飛ぶ感じだ。 
洗い場の蛇口が一瞬ひねるものかとおもったが、これはちがう。押すのだ。レバー式でないのであやまって回してしまった。
 それにしてもいい湯であった。 入り口のすぐ横、男女仕切りに1つ立ちシャワーがある。 

湯をあがってまったりする。 ドリンクは明治牛乳であった。 110円。 
帰りに、またほんとうによく来てくれてうれしいと重ね重ねあいさつをして送り出してくれた。 来て良かったと思う。

 立派な銭湯なだけでなく、客のマナーも、運営も立派だ。 次回上京した折にも是非来たい。 

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