<DATA> 開店: 15:00 閉店: 22:00 定休日:日 住所: 愛知県木曽川町玉ノ井宮前92 電話:0586-86-3249 |
調査日:2004/5/1(土)
名鉄尾西線の終着駅、「玉乃井駅」を下車、右手前に煙突が見える。
やや早い時間に訪れたら、道路沿い(銭湯の裏手になる)で準備をしているご主人の姿が見えたので声をかけてみた。
写真とるならちょっと早めに来るといいと親切に教えてくれた。ここの燃料は薪なのだ。
まだお客がいない時間だったので女湯側も撮影させてくれた。
ここの見所はなんといってもこの脱衣場につきる。
脱衣場上部のモザイクタイル絵がとても味だし、木造らしさが光る。
こちらは女湯側。絵は男女でつながり感のあるものだ。
過去の台風のときには水にもつかったらしいというから昭和20年代になるのだろう。
こちらは男側。 タイル絵のみならず、壁などのタイルワークも時代モノである。
番台は総木製で、商品陳列棚は番台正面に木製のとてもレトロなものがあるが、
石鹸が2,3個はいってるのみで、恐らく現在は販売するものはほとんどないように思われる。
それにしても気さくなご主人だった。 もちろんのことロッカーは木製。
女湯側にはレトロ銭湯には必ずといっていいほど装備されていたベビーベッドもあるのだ。
この一角だけで、もう満腹ってほどにレトロさを味わうことができる。 マッサージチェア、ドライヤーに、、
緩衝地帯は細かいタイル貼り。 浴室へ入る。 ここもレトロさ加減がそのまま出ている。
やや丸みを帯びたセンター浴槽は、手前が浅め、奥が深い白湯。白湯は相当に熱い。
突き当たり壁面には2浴槽に分かれており、外壁側が電気湯、男女仕切り側が薬湯。
電気湯も同じ薬湯が入っているが、どちらも半分ほどしか湯がはいっていないのが残念であった。
湯加減は白湯より低めだがぬるすぎることはなかった。
天井は四角錘型で中央に四角い湯気抜き。
洗い場は男女仕切り側にしかない。 カランは湯のみ。 レバー状のめずらしいカランだ。
このレトロさかげんから、これは水がでてくるか、、と失礼ながら思ったが、
そうではなくきちんとお湯がでてきて、シャワーも使えるものだった。
桶の中には、生産期間が短く、銭湯通の間ではレア桶とされている白ケロリンも残ってた。
GWだったのでお客は男湯はこの時間自分だけで、貸切であった。
こんなに独り占めできた銭湯はいままでなかった。
脱衣場にドリンク冷蔵庫があるのだが、ここに入っているドリンクは販売用ではないようだ。
オレンジジュースの缶があったので持って番台にいくと、売り物ではないとのことだったが、
あげるよってサービスしてくれた。ありがとう、、おばちゃん。
木曽川町にはもう1件銭湯があったのだが、今年(2004年)3月に閉店してしまい
ここ1件のみになってしまった。
愛知県の端っこにあるこんな銭湯はマニアにはこたえられないものがある。
小奇麗な銭湯になれてしまった人には受け付けない要素もあるかもしれないが、
レトロ銭湯を探し回っているような人なら一度行ってみるといいだろう。
この界隈は銭湯へはいる目的でいくだけでなく、付近も散策してほしい。町並みなども本当になつかしいものがある。
なんというか、忘れてしまった時間に会いに行くとか、そんなフレーズが似合う体験ができるにちがいない。