※2004年5月31日(月)で閉店されました。
<DATA> ※営業当時 開店: 16:00 閉店: 23:00(22:00ごろまでに入ることをお勧めします) 定休日: 木 住所: 名古屋市瑞穂区田辺通3-35 電話: 052-831-6767 |
調査日:03/01/? 再調査2004/5/15(土)
入り口左側にはコインランドリー、コインランドリーもちょっとなつかしい雰囲気を感じる。
入り口はいってすぐ正面にはアクリル蓋の下足箱。その奥が入り口となっている。
下足箱右奥にカウンターのあるスペースへの入り口があり、入り口に近いほうが女湯、左手奥が男湯。
左手奥の突き当たりにカウンターがあり、男女入り口を横から見るようなレイアウトだ。
物品販売の小窓は男湯側についていることになる。
女湯側からは注文があると「おくさーん」と声を掛けている様子が見られた。
ドリンク冷蔵庫は女湯入り口側、カウンターと反対側に配置されている。
脱衣場は伝統的銭湯として普通のものと思われるが、改装されたことが分かる。
アクリル蓋のロッカー。
男女仕切り側は鏡張りとなり、なつかしいマッサージチェアも健在。(写真に写っていませんが、、)
脱衣場側に引き戸があり、入ると緩衝地帯。 男女仕切り側に流し、レバー式の蛇口。
その奥はボタン式のボディシャワー。反対側はサウナ。有料100円。
中にはいってまず感じるのは開放感だ。(明るい時間だとさらに)
この界隈にしては浴室が広々しており、また、天井も高い。 開放感が実に気持ちよい浴室だ。
雰囲気としてはちょっと温泉街っぽい雰囲気。(ヘンはたとえだが、、)
浴室の照明の一部がオレンジがかったものがそうさせているのかもしれない。
浴槽レイアウトは、L字になっているコンビ浴槽が浴室中央手前から続く。
一番手前が浅い白湯、次が横向きに入る電気、浅めで足を投げ出してはいれる深さ。
パワーはやや強め。 次が一番広い面積の白湯で深くなっている。ここでおれまがり、
男女仕切りを背にする2人用のジェット。水枕もついていて手すりもある。
どの浴槽も湯加減上々だ。 ジェットの上部にはオレンジ色の照明が2つついている。
突き当たり壁面の外壁寄りには常時放出の打たせ湯。 洗い場にかからぬよう衝立が設置されている。
男女仕切りよりには薬湯。ゆずだった。 薬湯の温度はやや低めに設定されているので
熱い湯が苦手な人にはいいだろう。
洗い場は、外壁側、男女仕切り側と、突き当たり壁面の2つの浴槽の間の3箇所。
近所の常連の年配の方々がゆっくりと雑談を交わし、時間がゆったりとながれる、そんな生活銭湯という感じだ。
年配の方だけではなく、若年層の出入りも結構ある。昔からある銭湯ながら、結構人気があるようだ。
女将さんにうかがったところ、昭和31年より営業。
残念ながら2004年5月末で廃業されてしまうとの張り紙が、、。
付近に銭湯がないだけに、またお客のマナーも良く、居心地が良かっただけに残念なものがある。
が、しかし長年ここで続けてこられたことには感謝するしかない。
女将さんは番台で近くの銭湯の情報を教えてくれたりして親切だった。
脱衣場で感じの良い年配の方と雑談していたのだが、
これからどこの銭湯がいいのか、、という話になっていた。
周囲にゆっくりできる銭湯がなく、八事方面からわざわざ来ている常連の方も多いとのこと。
車がない一人暮らしの老人にとって通常銭湯が無くなるということがいかに大きな意味を持つかと実感してしまった。
風呂場で別の方と雑談しているときも同じような話題になっていたからだ。
最寄で似たような雰囲気ならば同区の東栄温泉ではないかと思いその方にお教えしたのだが、
彼は「あなたとはまたそこでお会いできるかもしれませんね」と、
大変丁寧な口調で話されたその老人がやけにカッコよく見えた。
私も彼と再会できたらいいと願っている。
閉店前日、当日の様子
(行かれた方から伺ったお話や感想も混ぜて紹介させてもらいました
本当に多くの人から愛されていた銭湯だったんですね)
●閉店当日は仕事が遅くなり、間に合わないか、、と思いました。 なんとか間に合ってよかったです。
ギリギリだったのですが入れてもらえて助かりました。 「ありがとうございました」と入るときに
オレンジジュースをサービスしてくれました。 手ぶらだったのでカミソリとシャンプーも購入し、湯を楽しむことが
できましたが、ギリギリだったのでサウナは止まっていました。 熱くてきもちがよかったサウナが好きでした。
(下の写真は当日サービスで頂いたオレンジジュースと購入したカミソリなど。)
●閉店前日はいつもとちがって、いや、いつもより多く親子連れのお客さんが多く、おばちゃんと話してたりしてなごりを惜しんでました。
昔、地域の少年野球チーム「ヴィクトリー」って負けまくってるチームがあって、某野球選手がそこにコーチとして入って強くなったのがうれしかったね、
それで家にも入りに来てくれたこととかもあったよ、とか、、、昔をなつかしんでいろいろ話してくれました。 カウンターの上に置かれていた
トロフィーはその絡みのものだったのかもしれません。 なんだか本当にホッとする場所です。
おばちゃんの談によると、2種類のお客さんがいて、「なんでやめるの〜」って困った顔される方と、
「分かるわぁ、、いや、いままでよく続けてくれましたね、ありがとう」って方と。
どちらにしてもお話から、常連さんに悪いなって思っておられることがひしひし伝わってきましたが、
この過酷な仕事を続けてこられたことに私達としては、感謝する以外、、、ないですよね。
後継者が居ないことと、もし引き受ける後継者がいたとしても、
あのキツい仕事を任せるのは忍びないというのもあるはずです。
「なんだか今は片づけやらで実感ないけど、落ち着いてから、なんかガクッとくるのかもね、、
いつもあるものがなくなるのはお客さんも同じだけど自分もきっとそうなんだろうねぇ、、」と
シミジミ語っておられました。 1つの時代を感じます。
最後だというのにほころびなどが感じられなかったのですが、おばちゃんの話によると、
タイルが1つでもめくれると、ご主人がどうせやめるからいいや、ってことではなく、
最後までキレイにしておきたい、と貼りなおされるそうで、当日も1枚貼ったのだそうです。
なんだかそんな話を伺ってジーンときました。
なお、陽明温泉はいまでも燃料は廃材とのこと。100%ではないのですが。重油と混合で。
あの煙突からしてひょっとして、、と思ってたんですが正解でしたね。
これまで続けてこられたことに感謝するばかりです。 お礼を一言告げ立ち去りましたが、なぜかとても後味がよく、
間違いなく思い出に残る銭湯の一つになりました。
きっとここの銭湯に小さい頃入って、なつかしんだ方も多かったのではないでしょうか。
本当にありがとうございました。
●仕事でヤられて落ち込んでいたとき、疲れが限界に達していた時、帰りに陽明温泉に寄ることがありました。
いつも風呂からでると、疲れやイライラやらがリセットされて、もういちどがんばろうって気になって出てくることができて
何度も気分的に助けられました。 ありがとうございます。
最終日閉店を待つ陽明温泉。 お世話になりました。